「オタク」を自称する人(特に女の子)がとても増えた。
逆に減っているのは「ギャル」を自称する人らしい。
“2010年に15歳~49歳女性1万5311 人を対象に実施したインターネット調査では、「自分がギャル」と申告したのはわずか0.8%。15~34歳(9285名)に絞っても1.3%だった。”
その流れを象徴しているのが、元モーニング娘。の矢口真里さんだよね。というお話です。
- オタクが流通するキッカケ1989年
そもそも「おたく」という言葉は、昔からネガティブな意味で使われる事が圧倒的に多く、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の犯人の趣味が「おたく」と呼ばれるものだったことと犯行動機を結び付けて流通し、『空想の世界にどっぷり浸かっていて何しでかすか分からない不気味で気持ち悪い人』という軽蔑的な意味を多く含んでいたらしい。
正直、僕の生まれる前の事件なので、その時の空気や言葉の流通具合はよく知らない。でも、そのニュアンスは平成生まれの僕でもよく分かるし、今でもうちの親はアニメやマンガに対してそういう認識です。
- ネガティブだった言葉があら不思議!
ところが今は「おたく」を自称する。特に女の子に多い印象だ。それは決して卑屈になったり自虐的ではない。
ネガティブな意味だった言葉がポジティブな言葉へと転換するということは実は割とよくあって、今ではポジティブに使われる「パンチが効いた」という言葉も最初はダウンタウンの浜ちゃんがネガティブな意味で使っていたものらしいです。ネット上では「おたく」と同様に「変態」を自称する子も多いですね。「高校デビュー」なんて言葉も今の高校生の間ではポジティブな意味で使われているらしいです(僕のときはまだ「高校デビュー(笑)」って感じでしたが)。
- ギャルからオタクへ
このギャルからオタクへの流れを象徴するのが矢口真里だと僕は思うんです。モーニング娘。はどちらかと言うとヤンキー系のアイドルなんですよね。方向性がしっかりと定まってから加入したのが後藤真希ですし。
「元モーニング娘。」の肩書きが付いている人間で一番成功しているのはもちろん矢口真里で、彼女の最大の武器は「オタクであること」です。
矢口真里さんの発言に関する有名なコピペがあります。
レッドカーペット取材
「子供の頃からお笑い系が大好きで、はっきり言ってオタクレベルです。 最近好きなお笑い芸人はズバリ!はんにゃです。」
アニマックス取材
「子供の頃からアニメが大好きで、アニマックスさんで一日中アニメ見る日も多々あります。
かなりマニアックなアニメも好きで、特に好きなアニメはセーラームーンです。 金髪のカツラでコスプレしたいです。」
ファミ通取材
「子供の頃からゲームが大好きで、一日中ゲームして過ごす日も多々あります。
かなりマニアックなゲームも好きで、特に好きなゲームはドラゴンクエスト、マリオカート、ぷよぷよです。」
漫画について
「子供の頃から漫画が好きで、芸能界では2~3位になれる位漫画持ってます。一日中漫画読んで過ごす日も多々あります。
かなりマニアックな漫画も好きで、特に好きな漫画はワンピース、ドラゴンボール、NANAです。」
(以下ほぼ同文)
もともとギャル系で、そこから流れを見てオタク文化に流れてきたので、はっきり言って「にわかオタク」です。
オタク的属性を持ったアイドルで言えば、中川翔子というホンマもんがいるんですが、彼女の語るオタク文化が深すぎて「オタク的なイタさ」しか消費されていないんですよね。テレビで消費するにはオタク臭がきつすぎた。
ワンピースやエヴァを普通に絶賛する矢口真里のにわか具合が、テレビでオタクキャラを得るにはちょうど良い薄さのオタク臭だったんでしょう。
そんな訳で、秋からは『新世界より』というアニメを観ます。
楽しみです。
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