私たちは最初からあなたたちが大嫌いで、最初からあなたたちが大好きだった。
『ユリ熊嵐』がちょうど折り返し地点第5話まで来たのでゆるく考察と感想を書こうかと思います。
第4話第5話で一気にエンジンがかかってきたわけですが、結局のところピングドラムと同じく「承認欲求」についての物語だと僕は判断していて、それはそれで面白いけどできればピングドラムとは異なった結論・結末を迎えてほしいなぁとかふんわり思ってます。
「好き」という好意と、それに対する返答「キス」
物語の中で使われる用語はどれも不明瞭で解釈の幅が広すぎるので何かを断言するのは難しいですが、もっとも重要なのはおそらく「好き」と「キス」だと思います。
第4話において、みるん王子が「好き」という好意を具現化したものが蜂蜜でした。
で、それを「好き」な相手に捧げる。
その好意に対する返答/対価が「キス」になる。
※好意をどんなモノに具現化するかはもしかすると人によって異なるかもしれないけれど、少なくともみるん王子やるる姫の場合は「蜂蜜」でした。
蜂 = ATフィールド
そしてるる姫が相手を受け入れない時に表現されているものが「蜂」。これはつまり、ATフィールドですよね。
画像では分かりづらいけれど、このシーンでもるる姫の周りを飛ぶ蜂に、城の人間は後ずさりする。
ちなみに両親に対しても拒絶している。
誰もるる姫のATフィールドを破れない。
このハチの脅威に晒されずるる姫に受け入れてもらえたのがみるん王子と銀子。
ここで大事になってくるのが、みるん王子の死因。蜂蜜を取ろうとしてハチに刺された。つまり、みるん王子は誰かのATフィールドを無理やりこじ開けようとして拒絶された(誰かのハチに刺された)ことが死因となっている。誰かの好意を無理矢理得ようとした結果かもしれない。
だからこの画の中で飛び回っている蜂はみるん王子の蜂ではなく、他の誰かの蜂。だってみるん王子はもとから人を拒絶するようなATフィールドを持ち合わせていないから。そしておそらくこの蜂がみるん王子の命を奪った。
そして、るる姫はみるん王子の好意「好き」を拒絶し、踏みにじりました。それが「罪」なのかも。
ここからはもっと仮説になるけど、銀子が自分のことを「罪グマ」だと称するのは、紅葉か誰かの好意「好き」を踏みにじったからかも。だから銀子は断絶の壁を越えて、紅葉に「好き」を返しにきた。
後半に向けて
ブログタイトルには「考察」と書いたけど、どちらかと言うと僕は散りばめられた言葉を頼りに謎解きがしたいわけではなくて、むしろこのフィクションを通してどんな価値観を表現してくれるかのほうが興味があるわけで、たとえば「透明な嵐」というまぁいわゆる「イジメ」とかネット上でよく見られる「叩く」という行為について、何か批評してくれることを期待しているのです。だから謎だらけの前半よりも、後半のほうが楽しみ。まぁ全話観終わっても謎が残ってしまうと思いますけど。がうがう。
<了>
TVアニメ「 ユリ熊嵐 」オープニングテーマ「 あの森で待ってる 」
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