2012年に東京事変が解散したわけなのですが、考察記事って意外と少ないみたいなので、僕が思ったこと、気付いたことを少しだけですが書き連ねていきます。
法令線上のホクロ
椎名林檎は2003年、ホクロを除去しました。東京事変の結成とほぼ同時期です。
ホクロを除去した公式的な理由としては、「マスコミに作り上げられた“椎名林檎”像を捨て去りたかったから」だそうですが、それは本当に「マスコミに作り上げられたもの」なのでしょうか。
彼女のホクロはほうれい線上にありました(笑うとできるハの字の皺です)。そこにホクロがあるというのは人相学的に「母親との縁が薄い」というような意味を持ちます。これって、椎名林檎がデビュー時に背負っていた物語ですよね。(『歌舞伎町の女王』に代表されるような)
そのホクロ(椎名林檎の物語)を取り除くということがどういう意味を持つのかを考えると、上記の公式の理由が本心だと考えてよさそうですが、決してマスコミによって作られただけではなく、椎名林檎自身が自ら背負ったアイコン、イメージ、物語でもあると考えるのが妥当かと思います。
東京事変は脱“椎名林檎”
ホクロに代表されるような“林檎像”を脱ぎ捨てた椎名林檎は、東京事変を結成します。
デビューシングル『群青日和』の第一声は「新宿は豪雨」です。これは彼女のホームグラウンドに豪雨を降らせることで1つの決意を表していたのだと僕は勝手に解釈しています。
メンバーに指摘されて巻き舌を封印します。
段々と作曲もしなくなり、ボーカリストとしての椎名林檎だけがフロントに立っているわけです。
東京事変解散に伴い、ホクロ復活
そして2012年、東京事変が解散します。
ラストアルバム『color bars』のリード曲『今夜はから騒ぎ』のMVにて、なんと椎名林檎の顔にホクロが復活します。
ホクロの復活は、もちろん椎名林檎の物語の復活です。
東京事変とは何だったのか
ソロの椎名林檎は「椎名林檎をアルバム3枚で閉じる」と宣言した通り、そこでソロ活動を停止します。
最後のアルバム『加爾基 精液 栗ノ花』の最後のトラックが『葬列』。つまりそこで椎名林檎は死んだという解釈です。
そして、彼女は東京事変の一員として生まれ変わった、と解釈されていたわけですが、、、東京事変のラストシングルは『天国へようこそ』でした。
つまり、あの時死んだ彼女の転生があるとしたら、それはこれから。
<了>
「天国へようこそ」
作詞作曲:椎名林檎
演奏:東京事変
僕が未だ夢を見ているというのなら そっちが真実なのか
君こそ”我が人生”とか言う大芝居を打ってるくせに
机上のそのまた紙の上に描かれた花を 君は嗅げるの?
そうだな、僕だったら永久に芳しいものを選ぶだろう
話し掛けないで
僕は君を吸い取って飲み干してしまう
お粗末ないのち
永遠に憧れるほど莫迦じゃないけれど
空に本当の顔が有るのなら昼と夜と果たしてどっち?
ねえ、どう思う?まあ僕はどっちも該当すると答えるよ
物事の本質にはいつだって相反する二者が鎮座するね
両極を求め続けた罪へ ぴったり時間通り罰が下るんだ
さようなら 僕の希望
さようなら 僕の絶望
自分を買い殺してしまった所為さ
僕は生きていると言うより死んでる
やあ
僕は君を吸い取って飲み干してしまう
近寄らないで
一線を越えた事実をいま認識するのさ
僕は死んだ
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