10月9日からフジテレビでドラマ『リーガルハイ』が始まります。
今年の春に「第1期」を放送して人気を博し、夏に「スペシャルドラマ」を1回、そして今秋は「第2期」です。
パロディによって解答/価値観を示す
皆さん知っての通り、前クールまで堺雅人は『半沢直樹』を演じていました。
その『半沢直樹』のパロディを『リーガルハイ』の中ですると予告されたことに対して、ネット*1では「他局の便乗してんじゃねぇよウジテレビが。」というような内容のコメントが飛び交っていました。
でもその批判は思いっきり間違ってるんですよ。
なぜかと言うと、『リーガルハイ』にとってパロディは社会風刺する為の手法でしかないのだから。
例えば
第5話
収賄罪で有罪判決を受けた大物政治家
↓
第8話
娘が母を訴える親権停止裁判
↓
芦田愛菜をはじめとする天才子役にありそうなウラの性格
第9・10話
公害訴訟回
↓
福島第一原子力発電所事故に伴う公害と東京電力
こんな感じで実在の人物や事件を揶揄/風刺するのが『リーガルハイ』なのです。
故に、流行語大賞候補の呼び声高く社会現象にもなった『半沢直樹』のパロディを行うのは“当然”のことなのですよ!逆にそれ使わない手はないじゃんっていう!
細かなパロディはたくさん散りばめられています。(リーガル・ハイ - wikipedia)NHK朝ドラ『あまちゃん』に似ているかもしれませんね。
そういう細かなパロディは普通に観ていて面白い仕掛けなわけですが、“面白い”だけが目的ではなくて、パロディをすることによってその人物や事件に対してドラマが間接的に何かしらの解答や価値観を示すことが目的なわけです。
それがこのドラマの魅力であり、僕が『リーガルハイ』に期待している点です。
東電/いじめに匹敵する社会風刺ネタは存在するのか
第1期・伝説の第9話では「東電」ネタ。スペシャル版では「いじめ」ネタ。(ちょうどイジメ報道が過熱していた時期でした。)
二つともに堺雅人の名演説があり、全文を書き起こしてるサイトもたくさんありますが、ぜひ動画で演技を観てほしいです。
いじめのほうは動画が見つからなかったので、まぁDVDを買うなりTSUTAYAで借りるなりインターネットの力を借りるなりして観てください。
リーガルハイ完璧。いじめの原因は黒幕の存在ではなく集団の空気でしたって答えを期待してたけど、本当にそれをドラマで提出される事になるとは思わなかった。村上春樹のリトルピープルも「集団の空気」のメタファーだと思うんだけど、最後のオチによって古沢良太は村上春樹を超えた。 #リーガルハイ
— 潮見惣右介 (@shiomiLP) 2013, 4月 13
コメディドラマでありながら難しい題材に挑み、毎回素晴らしい解答を示してきました。
第2期『リーガルハイ』にも当然それを期待するわけですが、「東電」や「いじめ」に匹敵するような社会風刺ネタが今の世の中にあるのでしょうか。*2
第2期で注目すべきポイントはここだと僕は思うのです。
僕は少し心配はしているけれど期待のほうが大きいです。脚本家・古沢良太は視聴者の期待を必ず超えてくる人です。*3 素敵な才能の持ち主ですので、ぜひ期待して観てみましょう。
『古沢良太は村上春樹を越えた』(筑摩新書)※実在しません #リーガルハイ
— 潮見惣右介 (@shiomiLP) 2013, 4月 13
<了>