自分と同じことを思う人が少なからずいるだろうと思ってこの文章を書くけれど、僕にとってこれは“事件”だ。
BUMP OF CHICKENとSEKAI NO OWARIが、同じEDM*1の新曲を数時間差で公開した。
2015年12月31日 BUMP OF CHICKEN
近年の代表曲『ray』を引っ提げて少しずつテレビ出演が増えてきたBUMP OF CHICKEN(以下、BUMP)。
昨夜12月31日、初出場したNHK紅白歌合戦においても、COUNTDOWN JAPAN15/16からの中継で『ray』を歌い、そして中継が切れたあと新曲『butterfly』が初披露された。
楽曲の公開前から「次の曲はEDMになる」と雑誌のインタビュー等で公言していた通り、新曲『butterfly』はEDMだったようだ。
2016年1月1日 SEKAI NO OWARI
BUMPが新曲を初披露したその数時間後、2016年1月1日0時14分、SEKAI NO OWARI(以下、セカオワ)のFukaseがYoutubeとInstagramのリンクをTwitterに上げる。
Mr Heartache #Theendoftheworld #SEKAINOOWARI #MrHeartache You Tube https://t.co/LFfTdGRuRG https://t.co/NYpcNK6TnI
— Fukase(SEKAINOOWARI) (@fromsekaowa) 2015, 12月 31
公開されたのは新曲『Mr.Heartache』。
これまでセカオワがやってきたEDMモノよりも更にEDM寄りのサウンドになっている。
EDMという波とその乗り方 閉じるBUMPと開くセカオワ
世界的な盛り上がりをみせるEDMカルチャーを日本のポップスに取り入れようとする動きは近年一気に活発化している。*2
そんな2015/2016の境目でそれぞれの時代を代表する2組がEDMの新曲を年を挟んで数時間差で公開するっていうこの熱い展開。正面衝突としか言いようがない。
2015→2016の狭間で何かのスイッチが切りかわってしまったような予感がする。
EDMという“同じ波”に乗ろうとしている両者であるのにも関わらず、とても対照的な手口で楽曲を披露している。
BUMPは日本最大の年越しフェスCOUNTDOWN JAPAN 15/16にて『butterfly』を披露。なので、会場で体験した人達以外の耳にはまだ届いておらず、その人達の感想だけがSNSに流れてくる現状。つまりクローズドな形で価値を高めている。(僕もまだ聴いてないです。)
一方、セカオワは年を越し直後にYouTube、Instagram、SoundCloud、あらゆるSNSを駆使して楽曲を公開。SNSを通じて一気に拡散させるオープンなやり方。
同じ「EDM」という難問に対して、それぞれの対照的な情報戦略。
ほぼ同刻、しかし鏡写しのように年を挟んで反転している公開のタイミング。
個人的には2016年の音楽、最高の幕開けです。
<了>
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※一応書いておきますが、僕はどちらも大好きです。
*1:エレクトリック・ダンス・ダンスミュージック
*2:3代目J Soul Brothersの『R.Y.U.S.E.I.』、SEKAI NO OWARIは『Dragon Night』からそこを狙ってはいた。