無印都市の子ども

まなざしのゆくえ

◆MUSIC OF THE YEAR 2016 無印都市の子ども

 

例年に比べて、楽しく音楽を聴くことができた2016年。新しいアーティストの発見もあれば、昔から好きだったアーティストの復活 / 復調もあって。

毎年年末には楽曲単位のランキングをつけていて、下位を決めるときはどうしても「今年はどんなのがあったっけ」と自分のiTunesを遡ったりするのだけど、今年はそういった作業を必要としないくらい豊作で、1から10まできれいに並べることができた。

そんな今年の音楽に加えて、前々から聴こう聴こうと思いつつも触れてこなかった昔の名盤を撫でてみたり、なんとなく好きかもしれない雰囲気の音楽をYouTubeで聴き流してみたり。非常にいいバランスで色々聴くことができたので、来年以降もこんな感じでいけたらいいなと思った大晦日。

ではそんな年のtop10。

 

* * * 


1.『サイレントマジョリティー』 - 欅坂46

ちょっとセンターの子強すぎる……と絶句したのが3月。まさかシングルがリリースされる毎にブログを書くようになるとは思ってもみなかった。

この曲の歌詞が一体どんな層にどんな風に響いているのかは知らないけど、警鐘のような言葉を軍服を着た14歳の女の子が歌うことがこの時代っぽい、なんてふうに20年後くらいに語られていそうだなぁと思ったり。

1stに限らず、2nd3rdと期待を裏切らないクオリティを見せつけてくれた欅坂。

2016年の顔を一人あげるとすれば、間違いなく平手友梨奈だ。


2.『アンサー』 - BUMP OF CHICKEN

正直に言って、ここ数年のBUMPの楽曲と活動には顔を覆いたくなるようなものも多々あったけど(紅白などのTV番組に出たことについてはとても良かったんだ。)、今年の最後にようやくBUMPらしいものがリリースされてとても嬉しい。
桐山零が藤原基央を復活させたと言っても過言ではない。

 

3.『HURTS』 - Homecomings

今年の下半期は「自分にとって本当に欲しいもの、失いたくないものってなんだっけ?」という問いが、考え事のちょっとしたテーマになっていて、それをきっかけに匿名ダイアリーに投稿したりもしたんだけど、そんなことをぐるぐる考えている時にBGMとして鳴らしていた音がHomecomingsだった。この楽曲だけに限らずアルバム一枚通して良い音楽だった。欅坂とBUMPが強すぎただけで、例年なら普通に一位にしていたと思う。

 

4.『明るい未来』 - never young beach

本当に幸せな瞬間ってね、金曜日の夜にこたつの中に入っている時だよ。

 

5.『俺の彼女』 - 宇多田ヒカル

アルバム収録曲のため、YouTubeに音源がない。『Fantôme』は名作なので是非聴いてください。

結局アルバムの中で一番聴いているのは『俺の彼女』だ。

 

6.『eye』 - MARQUEE BEACH CLUB

Homecomingsと同様、アルバム通して良い音楽。

『Flavor』とても良かった。

 

7.『もしも僕らがGAMEの主役で』 - DAOKO

DAOKOは、まぁこれくらいが限界だろうと僕が思ったところを何度も超えてくる。

僕はまた懲りずにdaokoの限界をこの地点だと推測しているけれど、どうなんだろう。何度でも裏切ってくれ。

 

8.『世界には愛しかない』 - 欅坂46

欅坂の2nd。期待値が上がりまくった2nd。期待通り、いや期待以上のものを見せてくれた。

 

9.『泡沫サタデーナイト』 - モーニング娘。

SMAPの『JOY』も手掛けた赤い公園の鬼才・津野米咲。才能しかない。

 

10.『二人セゾン』 - 欅坂46

世間的には『世界には愛しかない』よりも『二人セゾン』の方が高評価みたい。MVの良さは確かにこれがいちばん。

ちなみに僕は、グループの中で一人だけ異なる方向性で自分の価値を示そうとするアイドルが好きで、AKBなら指原莉乃、欅坂だと志田愛佳にあたる。

 

* * *


とまぁこんな感じです。
来年は小沢健二が音源リリースしてくれるはずだと信じて生きていくよ。

<了>

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欅坂46・二人セゾンを語りたい所存

 

11月30日に発売される欅坂463ndシングル『二人セゾン』のMVが公開されました。

今回は特に映像が素晴らしかったので、そこを中心に今回も<一人対談形式>で語り、後半では例のナチス衣装問題についてちょっとだけ喋りたい所存です。

 

* * *

 

司会者「今回も一人対談形式です。よろしくお願いします」

潮見「よろしくお願いします」

司会者「デビュー曲『サイレントマジョリティー』、2ndの夏曲『世界には愛しかない』に続いて、3枚目『二人セゾン』は秋らしい衣装と楽曲になりましたね」

潮見「今回もラジオ音源を先にYoutubeで聴いていたんですけど、そのときの印象はけっこう微妙だったんですよね」

司会者「微妙でしたか」

潮見「他のアイドルに比べて欅坂46の楽曲の完成度が群を抜いているのは承知の上ですし、ゆえに僕の中で限りなく期待値が高まってしまっているのも自認しています」

司会者「いい曲ではあるけど、期待しすぎてしまった、ということですか」

潮見「『世界には愛しかない』も最初はラジオ音源で聴いたのですが、いきなり“語り”から入り、そのあとの<ただじっと眺め続けるなんて 出来やしない>の平坦な歌い方に「なにこれw」と興奮したんですよね。それに近いような「なにこれ感w」が無かったのが寂しかった」

司会者「楽曲に特徴的なものがあるわけではなく、ただ単純にいい曲」

潮見「欅坂の楽曲には、毎回小さな革命を起こしてほしいんです。勝手な希望ですけどね」

 

 

『二人セゾン』秋に踊る女の子たち

司会者「そして11月17日、MVがYoutubeで公開されました」

潮見「MVめちゃくちゃ良くて、楽曲もすごく気にいってしまった」

司会者「(笑)」

潮見「微妙とか言っちゃったの撤回しますね」

 

司会者「秋の装いで通学する女の子たちのMVですね」

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潮見「まず僕はセーターとかマフラーとかしてる女の子が大好きなんです」

司会者「Twitterでそういう変態っぽいこと言ってましたねそういえば」

潮見「通学してる女子高生が愉しそうに踊りながら闊歩してるっていうだけで最高なんですよほんとに。ダンスが上手いかどうか、振りが揃っているかどうかも大事かもしれませんが、それよりも愉しそうかどうかのほうが重要だと僕は思ってます」

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司会者「潮見さん、今回は平手さんだけではなくて他のメンバーもちゃんと見てるんですね」

潮見「そうですね、見えるようになってきました。What made you do that?の女の子の表情すごくいいですね」

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司会者「他のメンバーが見えるようになってきたのは、潮見さんの目に変化があったのでしょうか」

潮見「それもあると思いますが、作り手にもそういった意識があると思います。平手ちゃん以外のメンバーが写っているシーンも多くなった気がしますしね。例えば、『サイレントマジョリティー』が平手友梨奈一人が闊歩しているのに対して、今回はみんなで前進して向かってくる映像が特に象徴的だと感じました」

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司会者「ここ迫力ありますよね」

潮見「よく見ると全員、歩く歩幅も出す手足も揃えられているんですよね。集団行動的な美しさを整えた上で、それぞれが思い思いの綺麗な歩き方をしてる」

司会者「でもよく見ると平手さんだけ逆足が前に出てません?」

潮見「ほんとだ……」

 

 

平手友梨奈がいる季節

司会者「『二人セゾン』の歌詞はどうでしょう」

潮見「結局のところ、言ってることは『世界には愛しかない』と一緒だと思うんです」

司会者「と言いますと……?」

潮見「前回の記事で『世界には愛しかない』を<どうしようもなく一度きりの季節の中で、届かないと分かっていても尚、平手友梨奈は空に手を伸ばす>と評しました」

 

潮見「今しかないということに最上級の価値があると位置づけて、平手ちゃんをはじめとする欅坂のアイドルたちはそれを体現する。どうしようもなく一度きりの季節の中で、届かないと分かっていても尚、空に手を伸ばす」

司会者「それが平手友梨奈の描く夏ですね。今回の総括は、どうしようもなく一度きりの季節の中で、届かないと分かっていても尚、平手友梨奈は空に手を伸ばす」

【欅坂46】世界には愛しかないって、平手友梨奈がそう言うのなら。- 無印都市の子ども

 

司会者「『二人セゾン』を評した文章だと言われても違和感ないですね」

二人セゾン 二人セゾン

春夏で恋をして

二人セゾン 二人セゾン

秋冬で去ってゆく

儚く切ない月日よ

忘れないで

 

潮見「今回は「手を伸ばす」ではなくて「手を離す」ですけどね。別に偶然近い言葉を選んでいたってわけではなくて、ただ秋元康欅坂46に対して魅力に思っているものが変わっていないというだけなんです」

司会者「同じものを角度を変えて、モチーフを変えて歌っているだけ」

潮見「そういうことですね。美しい女の子がいた季節、みたいな」

司会者「永遠になれなんて望まないしむしろ永遠じゃないから良い、みたいな」

 

 

軍服問題と神の一手

司会者「最後に少しだけこの話題に触れておきたいのですが、欅坂46がライブで着た黒い衣装がナチスドイツの制服に酷似しているとTwitter上で批判を受け、海外メディアも報じる事態になりましたね」

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潮見「まぁ、ナチスですよねこれ」

司会者「あっさりと……」

潮見「僕はそれを批判したいとか援護したいとかじゃなくて、むしろこの騒動をうまく利用してほしいんですよね」

司会者「利用ですか。そういえば、イスラエル大使館がTwitterで、欅坂46を特別セミナーに招待すると言ってましたね」

潮見「これは欅坂46の影響力を利用するよってことですよね。いい手だと思います。欅坂サイドとしても、これは絶対実行するべきだと思うんですよ。次のシングル曲はそれをモチーフにして、『サイレントマジョリティー』の続きになるような歌詞を書けばいい」

司会者「今回の騒動をきっかけに、同調圧力ファシズムを歌う」

潮見「騒動を経て書かれた楽曲と『サイレントマジョリティー』を軸にして1stアルバムが出来たら、たぶん名盤になると思うんですけどね」

司会者「秋元康はどうするんでしょう」

潮見「どうなんでしょう、指原騒動のときのHKT左遷は神の一手でしたよね。本来マイナスな要素を持った出来事を上手に利用してプラスな状況へ持って行った。秋元康はもうAKBにあまり興味がなさそうだし、欅坂46でああいう神の一手が見たいですね」

司会者「『二人セゾン』は騒動前から準備していた楽曲でしょうから、次ですね」

潮見「もし軍服的なモチーフが消えたら、かなしいですね。それはないと思いますけど」

司会者「次も楽しみにしています。どうもありがとうございました」

潮見「ありがとうございました」

<了>

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