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無印都市の子ども @shiomiLP

平成ポップカルチャー と インターネット自由研究

◆10 Favorite Music of 2015

 

2015年の音楽環境

AWA、LINE MUSIC、Apple Musicと、立て続けに定額制の音楽配信サービスが国内で開始され、音楽環境が大きく変わった2015年。

無料でMP3を拾う行為*1は実はけっこう技術の要ることで――、と言うより単純に面倒くさい。「無料のものを探すのはダルいし手間掛かるし、だったら多少のお金を払っていつでもサクっと聴ける環境を持っているほうがコストパフォーマンス的に安く済むわ」と考える人はそこそこの数いると最近になって実感するようになった。自分自身としては、TSUTAYAを往来していた日々が懐かしく思うくらい、その行動が高コストなものになって久しい。

定額制音楽配信サービスの登場以前、つまり具体的にはiTunes登場あたりから“音楽アルバム”という単位が形骸化するという話はずっとあって、上述したように音楽の入手経路が変わった自分としては、特に今年は“アルバム”単位の存在感や意味が随分と薄まったように思う。

Mr.Children『深海』とかFlipper′s Guitar『ヘッド博士の世界塔』とかとか、コンセプトアルバムが好きな自分としてはあまり喜ばしいことではないのかもしれないけれど、実感として薄まっているのなら仕方ないじゃないかと思い、2015年のランキングはトラック単位のみとすることにした。

そのかわりと言ってはなんだけど、今年は別記事で「2015年のかわいい女の子ベスト5」を書こうと思う。音楽はまったく関係ないけれども。 

 

 

【2015年総括】マイ年間ベスト10曲

1,『SOS』 SEKAI NO OWARI

新曲を出す度に「今彼らは何をやりたいのか」がすぐに察することができる。そこには意図があり、策略がある。相変わらずクレバーだなぁと思う。

『SOS』の作詞はsaori、ピアノ弾いている女性。ぜひ和訳を読んでほしい。表現したい感情や理想が彼女の頭の中にしっかりと存在していて、それを核に作詞している印象を受ける。今年好きになった作家の一人。たぶんサリンジャーとか好きですよsaoriさん。

そして何よりすごいのは、この曲はNHK中学生合唱コンクール曲『プレゼント』との両A面として発売されていること。届けたい人に届くように導線が轢かれていて、その2曲を並べて両A面にすることにちゃんと意味がある。こんなことできるアーティストはなかなかいないと思う。

 

 

2,『GIRL AT THE BUS STOP』 シャムキャッツ

郊外都市のニュータウンで過ごした思春期、というような曲。MVの雰囲気も好きだ。

『MODELS』という曲も今年よく聴いたのだけど、“生活”を描く歌詞は現役アーティストの中で一等なんじゃないかと思う。日常じゃない、あくまで生活。

 

 

3,『もしも運命の人がいるのなら』 西野カナ

「とにかく幸福感溢れる曲ブーム」が僕の中で2015年前半にピークを迎え、その最中にリリースされた一曲。会いたい会いたいと怖いくらい催促していた日々が嘘のように「あなたが迎えに来てくれるその日まで待っているから」と、大人な余裕を見せる西野カナ

路線変更してからも大成功を収めているのだから、本当に嗅覚がいい。マーケティングとかコミットとかカタカナ使ってる大人たちよりも、西野カナのほうがお客さんに対して誠実だと思う。

 

 

4,『あなたに恋をしてみました』 chay

個人的には西野カナ『もしも運命の人がいるのなら』と双璧をなす。天地真理のようなメロディと、変な活動領域に落ち着いてしまったいしわたり淳二の詞が、一周廻って2015年っぽさを感じた。

昔の歌謡曲を聴くたびに、“その時代の発声”というものが存在するよなと感じる。流行りの歌い方というか、発声方法がそもそも時代によって異なる。

chayの歌声があまり心地良くないという意見をよく聞くのは、やはり今っぽい発声でないからじゃないかと思ったり。まぁ、その辺の専門的な話はまったく知らないので、聞き流してください。

 

 

5,『シュガーソングとビターステップ』 UNISON SQUARE GARDEN

バンドのブレイクには繋がっていない印象を受けるけれど、いくつかのクラスタにとっては「今年の一曲」になるくらいのヒット曲。公式MVよりも、アニメ『血界戦線』のEDがとてもマッチしている。同アニメのOPを歌ったBUMP OF CHICKENがユニゾンに喰われてしまった。

 

 

6,『SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!』 おそ松さん


おしゃれ過ぎる。

潮見はおそ松兄さんが好きです。

しぇいく!しぇいく!

 

 

7,『恋の寿命』 Galileo Galilei

昨年のランキングでは1位だったGalileo Galilei

昨年は『リジー』、『Ms.summer』と昇り調子で、今年はすごいことになるんじゃないかとわくわくしていたけれど、どうやら僕の期待していた方向へは進んでいないみたいだ。それでも3位に入れるくらいには気にいっている『恋の寿命』。

 

 

8,『長く短い祭』 椎名林檎

今日、今夜、今。椎名林檎の書く歌詞は常にこの一瞬「今ここ」を最上級に位置づけて、衝動的/刹那的な感情に大きな価値を持たす。そんな思想がよく表れているのが東京事変名義でリリースした名曲『閃光少女』なわけで、それに勝る……とは言えないけれど、相変わらずハイクオリティな林檎さん。

 

 

9,『今夜がおわらない』 ふぇのたす

2年前に書いた「好きな若手アーティスト記事」の中で紹介したふぇのたすがようやく今年この曲で覚醒したと思った矢先、解散。悲しいけれど、まぁ仕方ないです。

ヤマモトショウはたぶんかなり頭のきれる人で、いきものがかり水野良樹と似たクレバーさを感じる。

 

 

10,『Brief Pop』 couple

sound cloudで見つけたPOPなバンド。某サイトには《そのキュートでキラキラ感のあるポップセンスで話題を呼び続けていた札幌のポピュラーポップ集団・Couple》と書かれてあった。その通りだと思う。

 

* * *

 

「産業としての音楽」は厳しい状態が続いているかもしれないけど、「カルチャーとしての音楽」は間違いなくおもしろいほうへ向かっているし、インターネット登場によって豊かなものになったと思う。YouTubesoundcloudの登場が音楽にとって不幸なことであるはずがない。

ここ数年、自分が産まれる曲や両親の青春時代に流れていた曲に触れる機会が圧倒的に増えた。僕にとっても音楽にとってもきっと幸福なことだ。

 

でもそれだけではつまらないから。

僕はもっと未来の音楽が聴きたいよ。

 

* * *

 

僕はもっと未来の音楽が聴きたいよ

ここから番外編で紹介する2曲は上のベスト10曲と並べることができなくて、たぶん異なる価値軸の上に存在するからだと思う。

僕にとってtofubeatsの『水星』もそれなのだけれど、現代都市論をモチーフとした音楽表現が2020年に向けて年々増えていくだろうと勝手に予測している。2015年はこの2曲が僕にとってのそれ。

恐ろしいことに、どちらも年下のクリエイター。

こういう才能を聴くたびに「俺、音楽やってなくて良かった」とつくづく思う。

たぶん嫉妬で眠れない。

 

 

banvox(バンボックス、年齢非公開)は、日本のDJ、トラックメイカー。兵庫県出身。

ぼくのりりっくのぼうよみ(ぼくのりりっくのぼうよみ、17歳)は、日本のラッパー。神奈川県出身

<了>

Summer

Summer

 
hollow world

hollow world

 

 

*1:違法。

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