西野カナの歌詞が徐々にスマートフォン化していると感じたので、ちょっと書いてみました。
ケータイ世代 ≒ ガラケー世代
ケータイ世代のカリスマ・西野カナは「ガラケー」の印象が強かったと思います。
実際、彼女の代表曲『会いたくて会いたくて』(2010年)や『私たち』(2012年)のCDジャケットにはガラケーが写っています。
PVに登場するケータイも「ガラケー」ばかりです。今月発売した新曲『涙色』のPVにもガラケーが登場しました。
僕が確認した中で唯一スマホが出てきたのは『SAKURA, I love you?』のPVなのですが、このPVはまるでXperia acroのCMかってくらいにアップで映ります。あまりウケが良くなかったのか、次のシングルではガラケーに戻っています。
スマホ化する西野カナ
しかし時代は流れ、中高生にもスマホが普及し、ガラケーは淘汰されていっています。
それに伴い、西野カナの歌詞も徐々にスマホ文化へ移行し始めています。
思い切って イメチェン “my hair”
友達もいいね!って
Oh Yeah キレイさっぱり
もうふっきれたの
Oh 勝手に更新される
アイツの最新情報
No Way! Who is this pretty girl?
まさか彼女かな
引用したのは『Believe』(2013年6月5日)の歌詞ですが、注目すべきポイント《いいね!》と《勝手に更新されるアイツの最新情報》の2つです。
いいね!
「いいね」ではなく「いいね!」なのです。まぁ誰が見てもFacebookですよね。Facebookはたぶんガラケーからでも利用できるけど、基本的にはPC文化/スマホ文化のサービスです。歌詞の中で使われるガジェットがPC/スマホ文化のものへ移行し始めている。
勝手に更新されるアイツの最新情報
ガラケーの場合は「彼」からのメールを待つというスタンスですが、勝手に流れてくる=タイムラインはSNS/スマホ文化のものですよね。
LINEの「既読無視」を歌詞に取り入れたのはソナーポケットでしたが、西野カナも徐々にスマホ文化におけるコミュニケーションを取り入れていく、その予兆が上記の歌詞からも見て取れますね。
スマホ化が意味するものとは
西野カナの歌詞の中で使われるガジェットが「ガラケー文化のもの」から「スマホ文化のもの」への移行が、どういう意味を持つかと言うと、描くべきコミュニケーションのあり方が変わるということです。
西野カナは「ケータイによるコミュニケーション」を描くことで支持を得たアーティストです。
一対一のコミュニケーションであるケータイ文化(電話やメール)と、複数人が宛名もなく勝手に言葉を流すSNS文化のコミュニケーションとでは、言葉の伝わり方や悩みの種類が異なってきます。SNS特有の感情をしっかり汲み取って描かないと、単純に「今っぽいものを登場させればいいや」ってだけでは、ソナーポケットのようにスベると思います。
<了>
西野カナ記事記事vol.1→ 西野カナの歌詞を考察してみた。
西野カナ記事記事vol.2→ インターネットは西野カナを殺せない -通信技術の発達と“会いたい”の関連性について-
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