国内リーグには見向きもせずに代表戦だけ盛り上がる「サッカー」。
プロで偉大な記録が出たのは知ってるけどだからと言ってTV中継していても観ないし、あぁ夏の高校球児は良いよね「野球」。
なぜサッカーは「代表戦」、野球は「甲子園」が盛り上がるんだろうか。
要因はいろいろあるだろうけど、一言で言うと――
サッカーは選手が上手ければ上手いほど面白く、野球は少しヘタなくらいが面白い。
ということなのだと思うのです。
(今回はあえてザックリとした話をします。細かなところで「それは違う!」と言いたくなる点はあるかと思いますが、それを言い出したらただのサッカー論/野球論になってしまうので、どうか温かい目で見てね。)
バルサ見越す
2011年、普段はサッカーなんて興味ない人が突然女子日本代表(なでしこJAPAN)にハマり、「ぽんぽんとパスが繋がるのが面白い」という感想を述べていました。
確かにパスが連続で繋がるのは観ていて気持ちよく、逆にトラップミスやシュートミスなどはイライラすることもありますよね。
※「面白い」って言葉は少し誤解が生じるかもしれない。「気持ちいい」のほうが適切かもですね。
今の男子日本代表も、過去の代表に比べてパス精度や攻撃のつなぎは格段に上手くなりました。それが今のサッカー人気/高視聴率に繋がっているのだと思います。
サッカーは上手いほど面白い。
抑えのピッチャーの憂鬱
野球はその逆。
内野手がエラーをしてしまうほうが、エースが9回裏に突然制球乱すほうが、観ていて面白い。
プロ野球は上手くなりすぎていて、9回に試合をひっくり返されないように抑えのピッチャーを用意し、4番バッターの苦手なコースを研究しつくす。つまりお互いに「試合を動かさない準備」をし合っているのです。
高校野球はその準備やその為の人材が揃ってないからこそ面白いのだと思います。
すぐ崩れてしまうからこそ面白い。
野球が少しヘタなくらいが面白い。
エラーの性格
そもそもサッカーにおけるエラーと、野球におけるエラーは性格が異なるのだと思います。
サッカーのエラーは試合を停滞させ、野球のエラーはむしろ試合を加速させる。*1
もちろんすべてが停滞/加速させるとは言いません。
でも例えば、サッカーの試合中で最も起こるエラーはパスミス、つまりインターセプトされることですよね。インターセプトされると攻撃の組み立てが散る。パスミス/インターセプトが続く試合は「停滞した試合」になります。*2
でも例えば、野球のミスの多くは進塁に繋がります。ファーボール、デッドボール・ボーク・守備陣のエラー。*3
なので日本で一番上手にパスを繋ぐチーム「日本代表」がもっとも盛り上がり、日本で最も良い具合でエラーを起こす高校生が集まる「甲子園」が盛り上がるのだと思いました。
ところで去年の市立船橋の7番がとても上手くて印象的だったのですが、彼は今どうしてるのでしょうか。
<了>