こういうのすごく面白い。
でも違和感がある。
大人が薦めてくる本は大抵つまらない。
『銀魂』みたいなタイトルになってしまいましたが、これは割と昔から思っている本心です。
僕はつい最近(15才の頃)までまったく読書をしない子どもでした。
先生が薦めてくる本や、『中学生のための○○』というような本に対して拒否反応を起こしていました。
上の記事で紹介されている本がつまらないと言っているわけではなくて、それらは確かにどれも面白そうだし、いいチョイスだわと感心するばかりなのですが、はたしてそれを「普段本を読まない中高生」が興味を持つか?と疑問に思うのです。普段本読まない中高生が芥川龍之介や宮沢賢治を読んで、それ楽しいか?っていう。
むしろそのリストの本を手に取ってくれる子って、もうすでに読書の楽しさに気づき始めている子なんじゃないのか。
じゃあお前ならなに薦めんだよ、ということで。
僕は今回、「図書館の大きな本棚の前で何を読めばいいか迷っている偏差値60前後の女子中学生」ではなく「通学中はずっとスマホゲームをプレイし、図書館へはクーラーを目的に涼みに行くくらいの偏差値40台後半の男子中学生」に向かって本を選びたいと思いました。
普段読書をしない学生に、本を取らせるためにはどうすればいいか。
たぶん、“中二心をくすぐる”のが一番手っ取り早いのではないでしょうか。
普段本を読まない中学生にお薦めする10作
(1)人間失格
太宰治の代表作。作品完成の一か月後、彼は自らの命を断つ。この作品は彼の遺書である。
(2)戦争における「人殺し」の心理学
- 作者: デーヴグロスマン,Dave Grossman,安原和見
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/05
- メディア: 文庫
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米国ウエスト・ポイント陸軍士官学校や同空軍軍士官学校の教科書として使用されている研究書。本来、人間は人間を殺すことには強烈な抵抗感がある。どのように、殺人に慣れされていくことができるのか。著者は心理学者であり歴史学者、そして軍人でもある。
「戦争、ダメ、ゼッタイ」とただ繰り返すだけの平和学習よりも、戦争の怖さが理解できると思う。ここで言う“戦争の怖さ”とは、その悲惨さだけではなく、少しの洗脳教育で自分も戦場で人を殺していてもおかしくないという現実感だ。
(3)ライ麦畑でつかまえて
この本には有名な愛読者が2人いる。ジョン・レノンを射殺したマーク・チャップマンと、レーガン元大統領を狙撃したジョン・ヒンクリー。
(4)平成マシンガンズ
史上最年少15歳でプロの小説家になった三並夏のデビュー作。
内容はともかく、自分と歳のかわらない女の子がプロになってるっていうだけで割と焦るよね。
コインロッカー幼児置き去り事件を題材にとった小説。コインロッカーの中に置き去りにされた2人の少年が主人公。成長していくにつれて、二人の異様な生い立ちが常に影を落とし、物語は破滅的な方向へ進行していく。
(6)なぜ人を殺してはいけないのか
「なぜ人を殺してはいけないのか」という問いについて日本を代表する2人の哲学者が語り合う。これを読んで異議があるなら叫べ。
(7)新世界より
舞台は1000年後の日本。注連縄に囲まれた自然豊かな集落で生活していた少女たちが、先史文明が遺した図書館の自走型端末「ミノシロモドキ」と出会う。そこから彼女たちは、1000年前の文明が崩壊した理由と、現在に至るまでの歴史を知ってしまう。
(8)映画は父を殺すためにある
映画は父を殺すためにある―通過儀礼という見方 (ちくま文庫)
- 作者: 島田裕巳
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/05
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(9)ドグラ・マグラ
本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす。
小説好きの中ではとても有名な小説なのに、小説を読まない人になかなか紹介されない理由は一つ。やばすぎるから。
(10)初音ミクはなぜ世界を変えたのか?
ニコニコ動画を中心に「ボカロP」と呼ばれる一般ユーザーたちが大量の新曲を発表する原動力となった初音ミクは、単なるツールやソフトウェアの枠組みを超え「音楽の新しいあり方」を示す象徴となっていることを音楽ライターが真面目に考察する。
以上10作品です。
本屋に行っても「文芸書」や「文庫」がまったく目に入っていない人は意外と多い。
最初から夏目漱石や宮沢賢治なんて教科書的なものを読まなくても、有川浩や森見登美彦、もっと言えばラノベから読んで「本を読む」っていう習慣を取得していくことのほうが大切かなぁと僕は思います。
<了>