無印都市の子ども

平成ポップカルチャー と インターネット自由研究

インターネットは西野カナを殺せない -通信技術の発達と“会いたい”の関連性について-

 

ネット後の対面コミュニケーションの価値

 情報通信技術の発達・インターネットの登場によって、東京に居ても地方に居ても(極端な話、南の島に居ても)、同じ内容・質で作業ができる環境になった。

 FacebookTwitterで遠く離れたところにいるお友達と手軽にリアルタイムで連絡が取り合えるし、SkypeやLINEを使えば通話やテレビ電話でコミュニケーションを取ることができる。

 物理的な制限がなくて低コストなコミュニケーション手段の出現によって、「直接会って話すのは面倒(高コスト)だから、LINEでいいじゃん」という選択をするようになり、直接会って顔を合わせる“対面コミュニケーション”の価値は下がる。 ゆえにインターネットは都市と地方の格差がなくす――

 というように考えられていたけれど、どうやらそうでもないらしい。そのことをリアルな感情レベルに落としこんで体現させているのがケータイ世代の歌姫・西野カナだよというお話です。

 

 

西野カナの特徴

 西野カナの歌詞を象徴する2つのワードがあります。

 1つ目は「ケータイ」です。彼女の書く歌詞の中ではケータイを使ったコミュニケーションの描写が数多くあり、それがケータイをフルに活用する若い世代にウケたことで、西野カナは「ケータイ世代のカリスマ」と呼ばれるようになりました。

 2つ目は「会いたい/会えない」。西野カナの歌詞には「会いたい/会えない」という言葉が頻出するため、その多さを物語るコピペが2ちゃんねるTwitter等で流通しています。

 つまり、「ケータイ」が通信技術の象徴で、「会いたい/会えない」が物理的な距離がある事や対面コミュニケーションを取ることを意味しています。この二つはそれぞれ分けて語られることが多いが、とても密接に関連していると私は思います。

 (※西野カナか書いた曲の歌詞ワロタwwww - 暇つぶしニュース http://blog.livedoor.jp/rbkyn844/archives/6335431.html

 

 

ネット時代だからこそ会いたい

 西野カナは、手のひらにあるケータイでコミュニケーションを取ることができるにも関わらず、彼女にとっての対面コミュニケーション(会うという行為)の価値は下がっていません。下がるどころか、むしろ会いたい気持ちを増幅させています。そして多くの若者が(特にケータイをフルに活用する世代が!)そんな西野カナの書く歌詞に共感しています。

 上述の「通信技術の発達によって対面コミュニケーションの価値は下がる」というロジックで言うならば、西野カナの歌詞に登場する「私」は相手とのコミュニケーションを電話やメールで済ませていたはずで、「会いたい」なんて連呼するのはおかしいですよね。

 

 つまり、この記事のサブタイトルである「インターネットは西野カナを殺せない」とは、便利な世の中になったことで「いつでもコミュニケーションできるじゃん♪」と恋愛を手軽なものにさせているのではなく、むしろ通信技術の発達が西野カナの「会いたい」という恋愛感情を増幅させていて、それが西野カナの創作活動を加速させているわけです。

 

 

ケータイとドラマ

 ある有名なドラマ脚本家さんが「ケータイの出現によって、待ち合わせをしている恋人同士がすれ違ってしまうようなドラマチックな場面を描けなくなった」とおっしゃっていたのをテレビで観たことがあります。「ドラマが描けない時代ですねぇ」なんて嘆くのははっきり言ってダサいなぁと思いました。

 古い時代のやり方が使えなくなったのなら新しい時代のやり方を見つけるしかなく、ケータイ出現後にはケータイ出現後のドラマがあるはずです。今それを描くことができているクリエイターは「西野カナ」くらいではないでしょうか。

 (了)

 

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 読んでくれてありがとう(*´∀`*)

西野カナの歌詞考察記事→ http://shiomilp.hateblo.jp/entry/2012/12/09/162526

実際に会うことの重要性:研究結果 wired記事→ http://t.co/HMrBADTqmM

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