無印都市の子ども

まなざしのゆくえ

ドラゲナイ考察 【SEKAI NO OWARI深瀬がとても頭の切れる奴だった件。】

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ドラゲナイについて

とりあえず皆がディスって嘲笑しているものを自分もディスっておけばいいみたいな空気は昔からあるんだろうけど、ここ数年のSNS界隈でその流れは一気に加速している印象を僕は受けます。
特に音楽ネタはそういうものが多くて、AKBは口パクで可愛くないとか言っておけばいい、K-POPアイドルは整形だと貶し、西野カナは会いたくて震えてる(笑)とバカにしておけばいい。誰かと同じものを嘲笑うと簡単に仲間意識が芽生えて便利ですよね。
さて。そんな中で、最近もっとも“流行”した言葉は「ドラゲナイ」だと思うのです。

 

「ドラゲナイ」とは、SEKAI NO OWARIの曲「Dragon Night」の空耳が「ドラゲナイ」に聞こえることから転じてネットスラングになったもの。

(出典:http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1502/18/news153.html

 

そんな中身のないニヤニヤしたいだけの「中傷」を、SEKAI NO OWARI深瀬だけが例外的にうまく利用できていると感じたので、そのことを書いていきます。そしてその頭の良い対応方法は、「イジメ」との戦い方の一つだと思うのです。

 

拒絶ではなく利用する

ドラゲナイ(笑)と嘲笑する人たちにとって一番おいしくて盛り上がる展開は、深瀬が「ドラゲナイって言うな」と拒絶することだと思うのです。相手が嫌がっている言葉でイジって煽るのは楽しい。深瀬はナルシストっぽい印象だったので、正直そういう対応をするか、まったく無視をすると僕は思っていました。

これ、なんてことないようだけど、こういう一言が一気に状況を変える。
このツイート以降、SEKAI NO OWARIを煽っているつもりでドラゲナイ!と叫んでも、それは深瀬の手のひらの上で踊っているに過ぎないのだから。

 

そして、歌番組で歌う際、あえて「ドラゲナイ」と発音していることを、ある方が発見しました。

【動画】SEKAI NO OWARI深瀬、ドラゲナイに歌い方を変更していた可能性が浮上

 

ドラゲナイから拒絶し距離を置くよりも、あえて自分からドラゲナイに寄せていったほうが得だと判断したということ。
実際ドラゲナイによってSEKAI NO OWARIは音楽シーンの割と真ん中のほうに位置するようになりましたよね。
深瀬はたぶん、僕たちが思っている以上に頭の切れるやつだ。

 

 

ロキノン系の延命

元々SEKAI NO OWARIも属していた「ロキノン系バンド」と呼ばれるようなジャンルは、もう何年もずっと蛸壺化していて、内輪で同じようなものを再生産し、外側に影響を与えないバンドばかりでした。SEKAI NO OWARIはその中で唯一、ジャンルの外側で飛び出ることのできたバンドだと思うのです。(手段や手口は異なるけれど、サカナクションも同じようなことを考えて活動していたのだと思います。)
売れてメジャーになることを美徳としない考えを持つ人たちというのがどこの世界にも一定数いるけれど、CDが売れない時代にそんなことを言ってられないはずで、お金を生み出すには大きい市場で戦うしかない。(なんて書きながら、近い将来彼らは里山資本主義になりそうだけど)どんな文化であっても、お金のないものから順に消滅していく。
SEKAI NO OWARIはあれだけメジャーに飛び出てCDを売っているからこそPVやライブにお金を掛けられる。(お金を掛けりゃいいってものではもちろんないけど)。

 

いじめとドラゲナイ

少し話が脱線したので戻します。ドラゲナイだ。
冒頭で書いたように、とりあえず皆がディスって嘲笑しているものを自分もディスっておけばいいみたいなこの空気、これは学校とかでよくある軽いイジメと同じだと思うのですよ。
笑っている人間は「からかい」であってイジメではないときっと思っていて、でも学校で一番多いイジメは言葉による「からかい」という事実。
あえてその「からかい」に乗ることで自分のものにしてしまうというこの深瀬のやり方は、いじめとの戦い方の一つだと僕は思います。

テレビもインターネットも、上手に利用し、揶揄してくる人間を巻き込んで一緒に踊るしかない。敵と踊れるSEKAI NO OWARIは、有能としか言いようがない。

Fukase「敵と踊れる瞬間なんて、はっきり言ってミラクルだから。それが100万年に一度訪れる日が来たらいいなっていう、希望的な歌ですね」

(出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141001-00110796-rorock-musi

<了>

世界の終わり

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