無印都市の子ども

平成ポップカルチャー と インターネット自由研究

『家、ついて行ってイイですか?』から考える人生論考

「似た人生は同じ人生ではない。そこには違いがある」 引用:ネイサン・イングランダー『若い寡婦たちには果物をただで』(新潮社) いまの地上波テレビが面白いか面白くないか?については、人それぞれとしか言いようがないのだけど、最近ぼくが誰に対して…

小沢健二とSEKAI NO OWARIが一緒にある世界へ

小沢健二とSEKAI NO OWARIの『フクロウの声が聞こえる』がリリースされ、Mステに出演しました。 「賛否両論を呼んだこの2組の組み合わせについて」と「2組に共通する地上波テレビとの付き合い方について」、今回は一人対談形式で語ります。 おいおいオザケン…

架空の夏を追う - 『そして父になる』

慶多くんの好きな季節はなんですか?夏です。今年の夏には何をしましたか?お父さんとキャンプへ行って、凧揚げをしました。お父さんは、凧揚げお上手ですか?とても上手です。 是枝裕和監督作品『そして父になる』の冒頭は、私立小学校の入学面接のシーンか…

【お知らせ】KAI-YOUさんにポケモン記事を寄稿しました

お知らせです。KAI-YOUさんにポケモン映画の最新作『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』の記事を寄稿しました。 ポケモン映画20周年記念作品。サトシの冒険をピカチュウとの出会いから新たに描きなおした作品で、TVアニメの第1話で登場したホウオウ…

今村夏子『星の子』は芥川賞を受賞するよ

今村夏子は芥川賞を受賞する 書店員という職業柄、このブログでは「小説」について書くことが多いのだけど、ひとつの文芸作品だけを扱った記事はあまりなく、しかも同じ著者の作品を二度扱うなんてのはかなり稀なことだ。*1 星の子 作者: 今村夏子 出版社/メ…

飛行できない君と僕のために - 『メアリと魔女の花』の感想

『メアリと魔女の花』を観てきた。 スタジオジブリ解体後に設立された「スタジオポノック」の第一回長編作品。監督は『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』の米林宏昌。 なお、この記事は、映画の決定的なネタバレを含まないように努力して書か…

【カドフェス2017】『夏子の冒険』の書き出しは完璧だと思う。

出だしよければ全てよし 書き出しは小説の命だ。そう主張する作家は多い。 物語の冒頭は、読者にとっても重要な部分で、買おうか悩んでいる本を本屋でぱらぱらと立ち読みをするとき、チェックするのはやはり書き出しだろう。 その書き出しの文章が良いもので…

新宗教がつくった美術館”MIHO MUSEUM”に行ってきた。

先月、滋賀県甲賀市にある美術館“MIHO MUSEUM”に行ってきた。何枚か写真を撮ってきたので、今回はそのレポートを書こうと思う。 MIHO MUSEUMは、宗教法人“神慈秀明会”によって作られた美術館で、その創始者である小山美秀子さんの美術品コレクションが展示さ…

AV女優・紗倉まなの小説『凹凸』の感想を書店員が書いたよ

文学界に流入する才能たち 芥川賞を受賞したお笑い芸人・又吉直樹をはじめ、山周賞候補になった押切もえ、伊藤計劃のトリビュートに参加したぼくのりりっくのぼうよみ、文芸誌「文學界」にエッセイを寄稿したSEKAI NO OWARI・Saoriなど、他ジャンルの第一線…

書店から見た光景としての清水富美加と例の本について

テレビもネットも彼女のTwitterも、発売日が2月17日であることを強調して伝えているので、地方の書店で働くぼくは、今朝から「千眼美子の本ある?」「幸福の、科学?のアレ、ありますか」という問い合わせを何件も受けることとなった。 実際に全国の書店に並…

【お知らせ】音楽サイトReal Soundに寄稿しました

今年の1月にリアルサウンドさんに記事を寄稿しました。 柴那典さんやレジーさんもよく書いているメディアに、自分も同じ立場で記事を書くことができてとても良い経験でした。 記事の内容は、ドラゲナイ以降のSEKAI NO OWARIについて。自分の気持ちとしては、…

変身ベルトが欲しい女の子・何が欲しいのか分からない男の子

古館アナウンサーが司会を務めるフジテレビのバラエティ番組の中で、「子どもの屁理屈って面白い」という趣旨で紹介された動画が、ネット上で波紋を呼んでいる。 問題となっているのは、仮面ライダーの変身ベルトがほしいと泣き叫ぶ女児に対して、母親が「そ…

◆MUSIC OF THE YEAR 2016 無印都市の子ども

例年に比べて、楽しく音楽を聴くことができた2016年。新しいアーティストの発見もあれば、昔から好きだったアーティストの復活 / 復調もあって。 毎年年末には楽曲単位のランキングをつけていて、下位を決めるときはどうしても「今年はどんなのがあったっけ…

欅坂46・二人セゾンを語りたい所存

11月30日に発売される欅坂46の3ndシングル『二人セゾン』のMVが公開されました。 今回は特に映像が素晴らしかったので、そこを中心に今回も<一人対談形式>で語り、後半では例のナチス衣装問題についてちょっとだけ喋りたい所存です。 * * * 司会者「今…

「あひる」という小説が非常にいい。

読書芸人とあひる 『アメトーーク』で紹介された今村夏子著『あひる』が、単行本として発売になった。 あひる 作者: 今村夏子 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日: 2016/11/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る ようやく発売になりました。いま…

ボブ・ディランが「文学」を再定義する

ボブ・ディラン氏にノーベル賞、文学界で賛否噴出 今年のノーベル文学賞に米歌手のボブ・ディラン氏(75)が選ばれたことを受け、文壇には「衝撃が走った」と言っても、まだ控えめな表現になるだろう。 フランスの小説家、ピエール・アスリーヌ氏はAFPに対し…

2016年の宇多田ヒカル - Fantômeと俺の彼女

9月28日にリリースされた宇多田ヒカルの新作アルバム『Fantôme』。6年間に及ぶ“人間活動期間”を経て、8年ぶりとなるオリジナルアルバムを引っ提げ、ようやくようやく、歌姫の帰還。 アルバム全体について語るのはちょっと難しいので、前作がリリースされた20…

新海誠と細田守 - それぞれの“道”の暗喩を考察する。

新海誠の暗喩 - 踏切と階段 『君の名は。』のラストシーンは、東京の街ですれ違い続けた瀧と三葉がついに出逢うというところで幕が下りる。 明らかに新海誠の過去作『秒速5センチメートル』を意識して作られていて、出会うことのできなかった「貴樹と明里」…

細田守『バケモノの子』に登場する本を解析してみた

『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』――作品を重ねるに連れて徐々に観る人の幅や世代を広げ、いわゆる「国民的」な作家になりつつある細田守監督。 彼の作品には、常に<文学作品のモチーフ>や<文学に対する敬愛の念>が含まれ…

【お知らせ】KAI-YOUさんに寄稿しました。(本棚から見える『バケモノの子』の世界)

KAI-YOUさんに寄稿しました第二弾です。 今夜の地上波放送に合わせて、『バケモノの子』の記事をKAI-YOUさんで書かせていただきました。劇中に登場する本や本棚から『バケモノの子』の物語を少し紐解こうというものです。 放送と同時に、Twitterで『バケモノ…

【お知らせ】KAI-YOUさんに寄稿しました。

こんにちは、潮見です。 いつもブログ「無印都市の子ども」を読んでいただきありがとうございます。 ブログを始めてもうすぐ4年が経とうとしています。すぐに終わると思っていたブログでしたが、意外と続きました。たぶんこれからも続きます。 そういえばこ…

【欅坂46】世界には愛しかないって、平手友梨奈がそう言うのなら。

欅坂46の2ndシングル『世界には愛しかない』のMVが公開されました。 この曲と映像がとても最高だったので、今回はその最高さについて語り、ひいては平手友梨奈さんの美しさについて語っていきます。前回同様、今回も<一人対談形式>で展開していきます。 前…

夏目漱石がI LOVE YOUを「月がきれいですね」と訳した理由

月が綺麗ですねの構造 英語教師をしていた頃の夏目漱石が、「I LOVE YOU」を「我君を愛す」と翻訳した教え子を見て、「日本人はそんなことは言わない。月が綺麗ですねとでも訳しておけ」なんて言ったという逸話がある。 文豪が遺した詩的な愛の伝え方として…

iPhoneと街の広告論

都市と広告 将来的に世界は、貧しい家庭が住む街に広告が乱立し、裕福な家庭は広告を排除したクリーンな街で生活する形になり、広告的なノイズにまみれた環境で育つ子供とそうでない子供とで価値観に大きなズレが生じるんじゃないかとか思ってたけど、よく…

平成生まれの僕が観た、小沢健二の魔法的な夜に

飛行できない君と僕のために 神は死んだ――フリードリヒ・ニーチェがそう言ったのは19世紀末、そこから100年が過ぎて、神様はいろんなところにいろんな形で点在するようになった。 若者たちが「〇〇は神!」と謳う現状があって、その崇められる対象は有名人で…

新海誠『言の葉の庭』に登場する本を解析してみた

先日公開した記事『新海誠『秒速5センチメートル』に登場する本を解析してみた』が予想以上に多くの方に読んでいただけて、なんとTwitterで新海誠監督ご本人にコメントまでいただきました。 嬉しいことだらけで感無量です。ありがとうございます。 自分でも…

新海誠『秒速5センチメートル』に登場する本を解析してみた

新海誠監督作品の特徴の一つとして<細やかで美しい風景描写>があります。定評のある<自然風景>に劣らず<都市風景>や<日常風景>の描写にも細部まで情報が行き届いており、何気なく描かれた本棚に収められている本や登場人物が手に持つ本のタイトルは…

潮見惣右介 / プロフィール

プロフィール 名前:潮見惣右介 shiomi sousuke @shiomiLP 生年:1990年 職業:書店員 / ライター 場所:大阪府 自慢:第47回文藝賞二次選考通過 無印都市の子どもBlog 文学と音楽、ポップカルチャーを扱った記事がメインです。世間での評価とは無関係に、「…

NHK朝ドラ『とと姉ちゃん』感想と考察 ~三姉妹の色彩について~

4月4日からスタートしたNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』。 そのドラマの感想を交えながら、前半パートは朝ドラとヒロインにおける<色彩>の話、そして後半パートは稀に現われる<陰>の概念について考察していきます。 当たり外れの大きい近年の朝ドラ。…

青春の陽のありどころ - パンドラの匣

僕には青春がなかった。自分がもっとも美しかった頃、輝いていた頃のことを「青春」と呼ぶのだとすれば。 10年前。15歳の時に高校中退して、それからずっと何年も暗闇の中にいた。生活と呼べる生活ではなく、常に昼夜逆転、ずっと何もせずに過ごしていた。そ…

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